自作の蒸留器を使い、金柑の精油作りに挑戦したのが2023年1月。
残念ながら精油を取り出すことには失敗しましたが、蒸留器を使ってフローラルウォーターが作れることが分かりました。
その翌月、ラベンダーを剪定したことをキッカケにラベンダーのフローラルウォーター作りを行うことに。
私は長いこと化粧品を使用していないため(日焼け後や乾燥が酷い時などスポット的に化粧水を使うことはあり)、作ったところでどうするんだというところではありますが、無農薬で安心安全の手作りのもの。
「自分で作るって楽しい」
そういった気持ちを久しぶりに感じた出来事でした。
今回はその香りが凝縮された【ラベンダーウォーター】を作った時の様子を紹介します。
自作蒸留器の作り方や蒸気蒸留法については↓こちら↓
フローラルウォーター
フローラルウォーターとは、蒸気蒸留法により抽出される水のこと。
植物からエッセンシャルオイル(精油)を取り出す際の、分離した水分のことを言います。
フローラルウォーター、ハーブウォーター、ハーバルウォーターなどとも。
ラベンダー
「ラベンダー」といえば、知らない人は居ないくらい芳香のある植物。
アロマオイル、芳香剤、化粧品、入浴剤など様々な場面で使われています。
「眠り」や「癒やし」のキーワードと結びつきやすいラベンダーは、鎮静作用があることでも有名です。
ラベンダーウォーターの作り方
●必要なもの● |
蒸留器 |
ラベンダー (今回使用したのはフレンチラベンダー) |
保存容器 |
蒸留器
蒸留器はあえて自作しなくても購入することが出来ます。
ピンキリですが、そこそこ(いや、かなり)良いお値段がしますから、フローラルウォーターだけ作りたい場合には、安全面に留意すれば自作でも充分かと思います。
しっかり精油も抽出したい、商売に必要、とかであれば自作蒸留器はオススメしませんので、既製品を購入した方が確実でしょう。
下準備
私は長らく放置していた、前回の「コゲ落とし」からのスタートです。
100均でステンレスたわしを買ってきましたが、傷が増えていくだけで効果はありません。スクレーパーを使っても暖簾に腕押し、諦め時が来ている様です。
同じ鍋を買いにダイソーへ行きましたが、3件回っても見つけることが出来ませんでした。
どの店にも同じタイプの小さな鍋が置いてあるだけ。昨今の物価高騰でサイズダウンしたのでしょう。貴重な鍋を焦がしてしました事を更に悔やむことに。
新商品が出ていたので、代わりにステンレス卓上鍋を購入。
前回のアルミ鍋が550円だったのに対し、こちらは770円。23cmとサイズ的には申し分なく、1000円以下で買える鍋としては優秀だと思います。
前回使った蒸し器も余裕で入りました。
以前のアルミ鍋から、じょうごとチューブを剥がして付け替えます。
ラベンダーは水で洗い、土やゴミを取り除きます。
セッティング
蒸気蒸留法による植物の成分は、蒸気が冷却される事によって留出されます。
熱せられて蒸気になったものを、再び液体に戻してあげる必要があるのです。
前回は冷却用瓶の水を入れ替える方法を取りましたが、今回はチューブも冷却することにしました。保冷剤を入れた冷水で、蒸気を一気に液体に変えます。(ここに焦げたアルミ鍋を活用)
水を蒸し器より低い地点まで入れ、ラベンダーを敷き詰めます。
点火
冷却用の瓶を、前回のインスタントコーヒー瓶から梅酒用の瓶に変えました。大きくなった事でここにも小さな保冷剤を入れることが可能に。
火にかけると蓋がくもり始めました。この蒸気を、チューブで瓶に移動させます。
アルミ鍋にはピッタリ張り付いていたアルミテープも、ガラス蓋だと剥がれてしまうという問題も。
また、蓋がカタカタと浮きはじめたので、土鍋の蓋を乗せて対処します。
※今回感じた留意点としては、ガラス蓋は相応しくないのではないか?という事です。蒸気孔にチューブを通しているものの、蒸気がこもり圧力鍋に近い状態になっている事は確かです。圧がかかりすぎた際に破損の恐れもあることを注意しなければなりません。
ラベンダーウォーター完成
金柑オイル作りの時とは違い、凄まじい勢いで蒸気が液体に変わっていきます。
抽出用の瓶から溢れそうな勢いだったので、ここで蒸留終了としました。
蒸留後のラベンダーからはこのように濃い緑の液体が出てきますが、抽出した液体は透明なことから、無事に芳香成分を抽出出来たことが伺えます。
煮沸消毒した保存用の瓶に、抽出した液体を移して完成です。
ラベンダーにも自分にも優しい手作りウォーター
はじめてのラベンダーウォーターは、ラベンダーの香りが凝縮されたとても贅沢なものとなりました。
これはまさか、購入しようとしたらなかなかのお値段がする代物なのでは?と自分でも驚く完成度。
無農薬で育てた植物による、安心安全の化粧品が作れたことは私の中で大きな喜びとなりました。
自宅のラベンダーを使うと、普段からその香りに触れているため、香りがどのくらい抽出されたかを感じやすいという利点もあります。
剪定後のラベンダーを挿し木として使うのも良いですが、あのジャングル化したラベンダーを挿し木にするには途方もない作業。ゴミにする前に、このような形で生まれ変わるのも、優しい活用法だと思います。
ラベンダーウォーターの使い道
手作り化粧品や芳香剤として使用します。
そのまま肌に塗布したり、保湿剤であるグリセリンと混ぜたり、手持ちの化粧水に混ぜるのも良いですね。
精油ほど香りの広がりはありませんが、ハンカチなどに数滴垂らし芳香剤として枕元に置いておくという使い方も。
このフローラルウォーターには防腐剤が入っていない為、肌に塗布する場合は冷蔵保管をし、早めに使い切るのが良いかと思います。
グリセリンフリー
私の場合は、せっかく作ったのだからグリセリンを購入して化粧水にするつもりでいました。
しかし、手作りのラベンダーウォーターにわざわざ保湿剤を加える必要があるのか疑問を抱くようになり、結局は何も混ぜずに肌に塗布して使用しました。
近年では、グリセリンフリーを謳う化粧品も多くなっている様です。
まとめ
ラベンダーを使ったフローラルウォーター作りを、自作の蒸留器を使って行った結果、想像を超えたフローラルウォーターが完成しました。
天然の香りが凝縮されたフローラルウォーターに、自作蒸留器のさらなる可能性を感じた一コマでした。
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