庭にやってきたヒキガエル。
こうしてブログを書きながらあの時の事を振り返っていると、どうするのが最善だったのかと考えるようになった。
あの状況では飼うことではないのは明らかだったし、冬眠前は食事をしないほうが良いそうで、餌となる虫がいない冬の庭は特段問題なさそうに思えた。
(どんな状況でも人間に飼われる事は生き物にとって不幸なことだろう、という話をしたいわけではない)
ただ、我が家の庭ではなく、緑の多い祖父母宅の庭に放ってあげたら良かった様にも思う。
何種類あるのか数え切れないくらいの雑草が茂っているし、時期になれば果樹も落ちてくる。草花の下や納屋、母屋の縁側だって冬眠するにはもってこいの場所だらけだ。
野良猫やマムシが現れる確率は我が家よりも高いが、きっとグラちゃんなら最適な場所を探したことだろう。
名前をつけて愛着がわいてしまった私は、わざわざ足を運ばないといけない祖父母宅ではなく、いつでもその存在を感じられるよう身近に置いておきたかったのではないか?
そんなエゴがカエルハウスだったのではないか?祖父母宅の庭に放つ事が最善だったかもしれないのに、とそんな事を思ったりする。
ただ、本来居ない場所に生き物を放てば生態系の崩壊に繋がる。
同じ町で生まれたヒキガエルを放ったとして、問題はあるのだろうか。
- 近所の庭に移動した場合、嫌な思いをさせてしまう可能性がある(哺乳類以外は苦手な人も多い)
- 定住している虫が食べられる可能性がある
- カエルは草食ではないので近隣の畑を荒らす可能性は低いが、カエルを狙って鳥類がやってくる可能性がある
- 田んぼの害虫を捕食する生物(益虫)を、カエルが食べてしまう可能性がある
- 伴侶に出会った場合、繁殖してしまう可能性がある
- 庭でメダカなどを飼育している家があれば脅威の対象となってしまう
祖父母宅の敷地内でおさまれば何も問題ないが、近隣への影響を考慮すると人為的に生き物を移動させることはやはり避けたほうが良さそうだ。
ペットを飼い続ける事が困難になった人が里親を募集する事がある。なにも犬猫だけではなく、鳥類や齧歯類、昆虫、そして爬虫類や両生類もその対象だということを最近知った。
もしあの時カエルの里親募集があることを知っていたとして、里子に出されたグラちゃんは幸せだっただろうか?
おそらく日本全国どこにでも居る希少性のないヒキガエル。里親になりたいと名乗り出る人は居ないかもしれないが、きっと里子に出すことはしなかっただろうと思う。(そもそもペットとして飼っていたわけではないので、里親に出すこと自体間違っているが)
いずれ秋が来る。
あの時の判断は間違っていなかっただろうか?と今更ながら想いを馳せてみたところ、カエルハウスは余計だったかもしれないが、あれで良かったのだと思えた。
土袋をそっと戻し、何も見なかったことにして冬眠を続けさせられたら最善だったのだろうけど。
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