ヒキガエルが庭に現れたあの日のこと①

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ダジャレ蜜太郎の育成日記

あれは2023年11月24日の14時半のこと。

庭仕事の最中だったか片付け時のことだったか。土袋をどかすと、そこに茶色い大きな塊が見えた。

通常ないものがそこにある。瞬間的に動物の糞か死骸か、よからぬものが浮かんだ。もしくはビニール類のゴミか。

膝を曲げ、恐る恐るその塊に手を近づけてみる。ブヨブヨとした変な感触がした。そしてやや冷たい。

更に腰をおろし横から見てみると、そこにいたのはなんと大きなカエルだった。いや、カエルかどうかはまだ断定していないが、カエルらしき生き物だということは分かった。

あまりの大きさに思考が一時停止しそうになる。

ここは再利用の土や、鉢底石、土のリサイクル剤を置いている場所。生きているのかどうかもまだよく分からないが、土袋を動かす事も多いので、このままにしておくわけにはいけない。

もう1つの土袋を避けてみると、こうして土に半分埋まっていた。背中が潰れているように見えるが大丈夫だろうか?

どうしたものかと考えていると(というよりただカエルを見ていただけ)、のそのそと、彼?彼女?は土から出てきた。

また土袋の隙間に入っていこうとしている。

いったいどうして我が家の庭に、こんなに大きなカエルが紛れ込んできたのだろう。小さな花壇と、この年から始めたミニ菜園があるだけの小さな庭に。

木や草花、池のある自然豊かな家なら分かるが、四方がコンクリートだらけのこの住宅地に何を思ってやってきたというのか。

グーグルで検索をすると、このカエルはヒキガエルというそう。カエルの種類の事はよく分からないが、私たちがカエルと聞いて思い浮かべる緑のカエルとは全く違う。

季節は秋の終わり。ヒキガエルは最高気温が10度を下回ると冬眠をするそうで、11月頃からその活動に入る様だ。

発見したこの場所は、上にほんの小さな屋根がある。そして土袋を寄せた空間は、雨風が当たりにくくなっていた。このヒキガエル、もしかしたらここで冬眠をするつもりでやってきたのかもしれない。

縁あって我が家へやってきたのだから、そのままにしてあげたい気持ちはある。ただ、生憎この場所は庭道具置き場であり、物の移動や人間(私)の往来が激しい。

ふいに傷付けてしまったり、冬眠から醒めさせてしまってはいけないし、何よりここを使えないとなると庭仕事に支障が出る。

とりあえず段ボールに移動させて、どうするかを考える事にした。

すると、背伸びをし、段ボールの端に器用に手を掛けている。あんなに微動だにせず、穴から出てきた時もソロリソロリだったのが、案外簡単に逃げ出してしまいそうな力強さだ。

まだ方向性が決まっていないので、カゴを被せておくことにした。

はて、どうしたものか。

  • ミニ菜園か花壇の端に、雨風の当たらない冬眠場所を用意する
  • 緑だらけの祖父母の家に連れていき、放つ
  • 屋内で飼育する

自宅庭に放っても、隣家の庭に移動したり、また最適な場所を見つけるかもしれない。でも、一度その存在を確認してしまったら、庭仕事をする時も、そうでない時も心配で仕方がない。

耕す時、鍬を入れた先にカエルが居たら。知らずに踏んでしまったら。道路に出て車に轢かれてしまったら。猫に食べられてしまったら。

そんな事を思案しているうちに、秋空はあっという間に暗くなった。

何を食べるのかも、どういう特性があるのかも分からない。ネット上に情報はあるが、目の前のカエルの様子の方が気になって、落ち着いてスマホとにらめっこしてしている余裕もない。

ひとまず、水分の確保と糞尿の処理と、必要最低限の状態しか用意できないが、我が家の室内で夜を越すことにした。

ちなみに、ダニ等の虫がついていたら嫌なので、ボウルか洗面器にぬるい水を張り、かけ湯をする形で背中まで流した。

体長は、およそ11cm〜12cm。大人なのか子どもなのか。オスなのかメスなのかも不明。

ヒキガエルは夜行性だということと、耳腺から毒を出すという事が書いてあったので、引き続きビニール手袋越しに触れるよう気をつけた。

このヒキガエルが現れる前の週からガクッと気温が落ち込み、最高気温が13度の日もあった。室内でダウンを着続ける日もあるような、そんな寒い11月後半。

今思えば、要らないタオルが何枚もあるのだから敷いてあげれば良かったが、新聞紙を足し、広げたビニール袋を被せて私なりに寒さ対策に気を配ったつもりだ。

夜行性との情報はその通りで、夜間暗くなった部屋にカサカサと音が鳴っていた。

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