ヒキガエルが居なくなったカエルハウス。
目の前の景色はハイビスカスローズが枯れ、グリンピースとスナップえんどうが生い茂り、キュウリとゴーヤに取って代わった。
無人のカエルハウスだけがあの時のまま。
春になっても、夏になっても、グラちゃんの姿はここにはない。
その後、カエルについてもっと知りたくなった私は、庭にカエルの家を作っている人の動画を観ていた。
過保護でも放任でもないその庭は、カエル愛に溢れている。自分がカエルだったらこの庭に住みたいと思った。
その庭では姿を消したあともカエルは戻ってきたそうで、グラちゃんもそんな風にひょっこり帰ってきてくれるのでは、と淡い期待を抱いていた。
しかし、待てど暮せど感動の再会シーンは訪れない。カエルハウスと離れはそのままにしておいたが、水苔には新しい緑の苔が生えていた。
グラちゃんは暑い時期を過ごすためではなく、冬眠するために我が家へやってきた。
きっと水場を求め、遠くの田畑でこの夏を過ごしていることだろう。
もう会うこともないかもしれないが、カエルハウスを綺麗に洗い、水入れに新しい水を入れておいた。
そんな2024年の夏。
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