ヒキガエルのグラちゃんの室内での様子②

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ダジャレ蜜太郎の育成日記

庭にヒキガエルが現れた翌日。

おそらく冬眠に入るところを、私が邪魔をしてしまった。

この後どうするのが最善なのか分からないが、「飼育することではない」事だけは確かなように感じた。

野に放ってしまうのは心配だが、少しでも安心して過ごせる場を用意することに。

そこに至るまでの1日の様子を。

室内で夜を越した翌朝。背伸びをして段ボールの外を観察するその後ろ姿は可愛い。

ただ、人間が思うに、足腰に相応の負担が掛かっていそうな態勢に心配も覚える。長時間段ボールの中ではストレスも感じるのではないか。

まだ先行きが決まらないので部屋に出してみることにした。身体は前夜の沐浴で綺麗になっているが、ヒキガエルは毒を持っているとの情報があるので念の為に段ボールを敷いた。

気のせいか、目がとろんとして弱っているようにも見える。慌てて前日の写真を見返してみたが、特に違いはなかった。

カエルといえばクリクリした目が印象的なのに、このヒキガエルは眼球が小さい(細い)からそう見えるだけだろうか。

そう思っていると、あんなに小さい段ボールシートにじっとしているはずもなく、スタスタと歩き始るヒキガエル。

弱々しそうに見えて、突然勇ましくなるそのギャップに昨夜から驚かされている。

鏡の前で立ち止まり、目の前の同種を不思議がっている様子。

おそらく鏡を見たのもこの時が始めてだろう。水面に写る自分の陰は見たことがあるかもしれないけれど。

しばらく鏡をみつめた後は、ティッシュケースをよじ登り、床へジャンプ。それにしてもガメラのようなゴツい後ろ姿だこと。

着地すると急に競歩のごとく歩き出し、ガスストーブの後ろに回り込んだ。電源は入ってなかったが、あのスピードでどこかへ逃げ隠れられては大変だと段ボールに戻すことにした。

納得がいかないような愛くるしい表情でこちらを見ている。

さて、どうするかを真剣に考えなければ。

実は、この1週間前に大切な祖母を亡くした私は失意の中にいた。というより、息を引き取るその場に居合わせ、通夜前の晩を葬儀場で共に過ごし、骨も拾い、有るものが無に還っていく一連の流れに接しても、どこか現実味がなかった。

天寿を全うした祖母。もう居ないという事は頭では理解しているつもりだが、まだここ(この世界)に居るような気がしてしまう。

そんな折、突然現れたヒキガエルに何かを感じずにはいられなかったのかもしれない。いや、この状況に何かを投影したかったのかもしれない。

飼うと決めたわけでもないのに、おばあちゃん=グランドマザーだから【グラちゃん】と名前を付けた。我ながら良い名前だと思う。

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