甘くて美味しいサツマイモ。
数ヶ月前、温泉地の蒸し場でサツマイモを蒸してからというもの、サツマイモに意識が向くように。
チンキ作りのために購入した「干し網」を活用し、2023年3月はじめての干し芋作りをしてみました。
干し芋を作ったらどうなったか?というと、引き時が分からずにカチカチの干し芋が完成。
干し芋の難しさ・奥深さを知った「はじめての干し芋作り」の様子をお伝えしようと思います。
干し芋
干し芋とは、サツマイモを「蒸して」「切って」「干した」ものの事をいいます。
芋といえば鹿児島県、芋けんぴといえば高知県、干し芋といえば茨城県が有名ですね。
スーパーの菓子売り場で販売されていたり、芋作りが盛んな地域の物産館では、手作りものが販売されていることも。
サツマイモ
農林水産省のホームページによると、2019年には約60種類のサツマイモが作付け報告されているそうです。
その中でもよく目にするサツマイモは、安納芋、紅はるか、鳴門金時、あたりかと思います。
作付け第一位のコガネセンガンは焼酎用に栽培される事が多く、市場ではあまり見かけないように思います。(私がこれまでサツマイモを購入することがなかったので、見ていないだけかもしれません)
安納芋で干し芋作り
今回使用したもの
- サツマイモ(安納芋)
- 干し網
3個150円だった安納芋を使います。
【芋を洗う】
販売されているものはだいたい綺麗な状態なので、サッと洗うだけです。
【先端を切り落とす】
あらかじめ干し芋にしたい長さに切っておきました。
【鍋で茹でる】
鍋を使わず、レンジでも出来るそうです。
【鍋からあげる】
竹串を通し、すっと入るようになったところで鍋からあげます。
【皮を剥ぐ】
安納芋は柔らかいので丁寧に行います。芋と皮が離れているところは剥がしやすかったです。
【平らに切っていく】
包丁で1cmほどの厚みに切っていきますが、これが物凄く大変でした。
都度、包丁を水で濡らすとやや切りやすくはありますが、ぬっとり・べちゃっとした食感の安納芋を薄く切るというのは至難の業。干し芋として使える箇所は僅かになりました。
【天日干し】
重ならないように干し網に入れて干します。
【干してから2日後の干し芋(干し期間3日)】
干し芋っぽい見た目になりとても綺麗ですが、まだ柔らかいのが分かります。
私が見た干し芋レシピには、干す日数は2、3日〜5日と記載されていました。
この状態で引き上げて良いのか?まだ水分量が多すぎてカビが生えてしまうのではないか?
市販品のように常温保存するには、この状態では自信がありません。カラッとなるまで引き続き干すことにしました。
【干してから5日後の干し芋(干し期間6日)】
だいぶカラカラになって縮まっています。もうそろそろ良いだろうと判断し、網から取り出しました。
出来上がった干し芋。
カラカラになったのは良いのですが、市販品の干し芋に比べあまりにカチカチすぎるのが分かります。
食べてみたところ、歯が欠けてしまいそうな硬さでそのままでは噛み切れません。仕方なくしゃぶるように食べました。
ついでに安納芋独特の甘みも感じられず、これはスルメか?、と何を食べているのだか分からなくなりました。
とりあえずシリカゲルと共にジッパー袋に入れて常温保存。
このまま食べるのも気がすすまないためトースターで焼いてみたところ、若干の芋っぽさは出ました。
しかし、干し芋とはこんなものなのか?もっとしっとり柔らかいものなのではないか?
干して2日後の状態が最適だったのかもしれないという思いと共に、保存食である干し芋を「しっとり柔らか」を保持したまま、カビらせずに保管出来るのか?などの疑問が湧いてきます。
紅はるかで干し芋作り
はじめての干し芋作りからすぐのこと、次は紅はるかを干し芋にしてみることに。
安納芋は平らに切ることの難しさや、乾燥までの日数が課題となりました。
切る前の段階でなるべく水分量を減らすことがポイントとではないかと考え、今度は茹でずに蒸すことに。
しかし、品種や調理法を変えたところで切りにくさは相変わらず。
安納芋同様に3日間干したところで芋の状態を確認しますが、長期保存するには心もとないところ。
結局、これなら大丈夫だろうと思えるラインにくるまでには6日間が必要でした。安納芋の時と全く同じです。
安納芋のときには全体がカチカチだったのに対し、紅はるかは外はカチカチ、中はやや弾力あり。
干した日数は同じなので、品種の違いによるものか、茹でる蒸すの違いか定かではありません。
ただ、美味しいか?と言われると、そう美味しいものではない、というのが食べた感想。
干し芋の存在意義
我が家は毎年、芋農家の知り合いからコンテナいっぱいのB級品の芋をいただきます。2022年は不作だった様で、そのお裾分けがありませんでした。
それも相まってサツマイモを購入することにもなったのですが、この味気ない干し芋を食べながら感じたことは、「蒸す」「茹でる」「焼く」だけで充分美味しいサツマイモを、わざわざ干し芋にする意味ってなんだろうということ。
サツマイモが大量にあるのなら長期保存用として作るのも良いかと思いますが、わざわざ購入してまで作るものではないな、というのが今回の干し芋作りの正直な感想です。
そんな事を考えていると、あることに気付きました。
記憶が確かであれば、私は干し芋を食べた事がありません。
贈り物やお土産で購入したことはありますが、食べたことがないので実際干し芋がどんなものかを知らないのです。
食べたことのないものを雰囲気で作ったところで、その世界を知ることは出来ない、そう感じました。
まとめ
シンプルなのに奥深い干し芋。
長期保存が出来て美味しい干し芋を作るには、まだまだ研究が必要だと感じました。
まずは市販の干し芋を食べて、干し芋がどんなものかを知るところからですね。
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